また「政治ごっこ」の4年間が始まった。上越市議会「不真面目」な幕開け

また「政治ごっこ」の4年間が始まった 上越市議会

画像:上越タイムス 2024年5月14日 2面から一部引用

ベテラン議員の驕り

上越タイムスが上越市議会を問題視

2024年5月14日の上越タイムス。
「新人議員を軽視?/委員長人事巡り/一部議員が発言/上越市議会 各派代表者会議」
という記事を読んで驚いた。

この記事は電子版にはないようだが、新聞記事をまるまる引用するわけにはいかないのでぜひバックナンバーを手にして実際に読んでいただきたい。なかなか攻めた内容で、ジャーナリズムとしての矜持を感じる内容となっている。
革命レディオでも取り上げようと思うが、一部を引用、紹介する。

5月13日、上越市議会の各派代表者会議が開かれ、常任委員会の委員長、副委員長ポストをめぐってやりとりが行われたという。

記事になっていることから少なくとも非公開ではなくメディアに対しては「公開」の会議であったことがわかる。

その席上、ある会派が今回初当選した新人を副委員長ポストに推したところ、「新人には荷が重い(常任委員長経験者)」だとか、「新人はスキルがない。半期(2年)はオブザーバーだ」(2期目の市議)といった発言が相次いだ模様。

わざわざ議会事務局(行政組織)が、かつて初当選した市議が常任委員会の副委員長を務めたケースがあると補足したが、座長は「その人には行政の経験があった」と、よほどのその新人を副委員長にさせたくなかったのだろう、行政経験がなければ新人では不適切だと言わんばかりの発言をした。

さらにある議長経験者からは「前任期は激務だったので、今回は休みたい(楽をしたい)」といった発言まで飛び出したとのこと。のちに取材に対し「そんな発言はしていない」と取り繕ったと記事にはある。

新しい会派構成

この記事を読んで感じたことを書くまえに、私が落選したのち、当選した32人がどのような会派に所属したか上越タイムス電子版から引用しよう。
早速委員長、副委員長ポストをめぐって会派同士の綱引きという名の「政治ごっこ」が始まったわけだ。

6会派に再編 「久比岐野」続けて最大会派に  上越市議会
2024年4月30日
https://j-times.jp/sokuho/59103

会派の構成は次の通り。(敬称略、数字は期数)

◇久比岐野(9人)
▽代表 橋本洋一(3)▽副代表 渡邉隆(6)▽幹事長 安田佳世(2)▽事務局長 ストラットン恵美子(2)▽構成員 江口修一(6)、飯塚義隆(6)、草間和幸(1)、大島美香(1)、降旗太地(1)

◇市民クラブ(6人)
 ▽代表 小林和孝(4)▽副代表 高山優子(2)▽幹事長 近藤彰治(8)▽会計 山本佳洋(1)▽事務局長 熊倉隆将(1)▽事務局次長 本城文夫(12)

 ◇つなぐ(4人)
▽代表 宮﨑朋子(2)▽副代表 関川信之(1)▽幹事 滝澤陽一(1)、平原留美(1)

 ◇みらい(4人)
▽代表 石田裕一(4)▽幹事長 高橋橋浩輔(2)▽副幹事長 櫻庭節子(3)▽会計 牧井邦生(1)

◇日本共産党議員団(3人)
 ▽団長 上野公悦(5)▽副団長 橋爪法一(6)▽会計 平良木哲也(5)

◇公明党(2人)
▽代表 山田忠晴(3)▽事務局長 西沢智子(1)

◇会派に属さない議員(無所属)
 滝沢一成(5)、丸山章(3)、宮越馨(2)、伊﨑博幸(1)

また「政治ごっこ」の4年間が始まった

さて、先月の市議選で落選した私だが、そもそも上越市議会に対してはこれまでの4年間はかなり批判的であった。

新人議員の不祥事が続いた市議会。
私は一市民の立場で有志と共に、本人はもとよりや同じ会派の先輩議員などに説明責任を果たさせるよう求めたが、彼らは自分のことではないとばかりに何もしなかった。少なくとも私の目にはそう映った。

その上越市議会の不真面目さに対する怒りが私が今回立候補した原点であった。
しかし、どうやらまたこの4年間も怒りと絶望の4年になりそうだ。

今回の記事で特に感じたことを書いておきたい。

上越タイムスがかなり攻めた記事を書いている

従来、上越タイムス紙は市議会に対してこのようにはっきりと批判した形で記事にすることはあまりなかったように思う。

今回の市議選において上越タイムスは、市民から募った項目を含め候補者の主張を十分な文量で横に並べて比較できるような特集を組んだ。当事者だった私も驚いたほど、かなりの熱の入れようであった。

民主主義において政治家のレベル・質は、有権者の民度以上にはならないという話を聞く。だからこそ有権者である市民にできるだけ情報を提供することで、上越市議会の質というものを上げようということだったのかもしれない。

ところが任期が始まってまだ一ヶ月も経たないうちからこの合意形成のお粗末さ。報道期間としてそこまで力を入れたからこそ、記者が憤った、というより呆れたのだろうことを文章の端々から感じることができる。

合意形成・議論すらできない、年季だけ重ねた田舎のおじさんたち

次に、このようなグダグダなやりとりが「会議」と称して公開、記事になってしまったことに驚く。
上に引用したように、上越市議会は6つの会派と4名の会派に所属しない議員から成る。

この記事を通して、田舎のおじさんたちが市議になったというだけで「政治家ごっこ」をしているのが市民に伝わってしまったことが滑稽でならない。

そして記事にもある、新人には委員長ポストは荷が重いだとか、新人はスキルがない。半期はオブザーバーだ、とかいう古い考え方には苦笑せざるを得ない。

新人でも議論を切り回す能力がある者もいるかもしれない。
しかし能力や是々非々でものごとを考えるのではなく、新人であれば最初は我慢しろ、ポストを欲しがるなんてなんて贅沢だということなのだろう。

「半期はオブザーバーだ」というのが2期目の市議の発言というのも驚く。
よほど1期めに我慢させられたのだろう。自分も我慢したから新人のお前らも2年は黙って丁稚奉公しろと言うのだろうか。

(追記)
この会議は写真を見る限り各会派の代表全員と、無所属議員4名全員が出席しているようだ。
2期目の議員はこの中に2名いるが、そのうち1名は…

古い。考えが古すぎる。

上越市議会の凋落

ここで、ちょっと懐かしい記事を紹介しよう。

「上越市議会が改革度ランキングで全国4位」
上越タウンジャーナル
2012/1/19
https://www.joetsutj.com/articles/51849917

早稲田大学マニフェスト研究所が実施した「議会改革度調査2011ランキング」で上越市議会がアンケートに回答した全国1356の議会中、4位という好成績を収めた。709の市議会の中では1位に輝いた。

それが直近だとどうなったか。

「議会改革度 上越市121位 ランク下降も県内2位 早稲田大マニフェスト研究所発表」
上越タイムス 電子版
2024/4/3
https://j-times.jp/archives/56212

早稲田大マニフェスト研究所はこのほど、全国の地方議会の「議会改革度」をランキング化し、上位300の議会の順位を発表した。上越市議会は121位で、前回調査から89ランク下げた。県内では柏崎市議会の45位に次いで2番目だった。

驚くべき凋落っぷりである。
なぜこんなに「落ちぶれて」しまったのか、当の上越市議会、上越市議が理解できていないだろう。
問題意識もないだろうし、解決しようという気すらないだろう。
そもそも問題意識があれば、今回の記事のようなことは起こらない。
かつてことあるごとに議会改革度ランキングが上位であることを口にしていた市議がいるが、今何を思うのだろうか。

それにしても、今回なぜ、ろくに根回しもせずに公の会議でこんな会議以前のやりとりが行われしまったのか。従来ならばある程度根回しを済ませたうえで、最後の調整のためにこの会議があるのではなかったのか。

上越市議会のレベルが落ちるところまで落ちたといえば簡単だが、「ベテラン」と言われる市議たちはいったい何をしてきたのだろう。

立候補をして当選すれば、誰でも市議にはなれる。
ものごとの本質も理解できない、議論すらできない田舎のおじさんでも、ただ就職活動をしたかったの若者でも、当選すれば「一端の政治家」を気取ることはできる。

能力がなくてもだ。

上越市議会のレベルの低下を嘆く声をよく聞く。
実際に議会改革ランキングという数値に現れてしまっているため誤魔化せないが、「市議だから能力がある」のではなかったということなのだろう。

今回の記事にあるような発言を公の会議で平然と言い放っているうちは、議会改革など夢のまた夢だ。もちろんこの4年間でも議員定数削減などできるわけもない。本質的な議論すらできないことが任期の冒頭から露呈してしまっているのだから。

市民はまたしても不毛な4年間につきあわされることになるのだろう。

おわりに

返す返すも残念なのは、私が当選していたら新人議員だとしてもこのような古い考え方を許さなかったであろうということだ。

つい数日前にもリージョンプラザ上越の指定管理者が「虚偽記載」をしたという報道があった。私は既に革命レディオでこの件について触れたが、上越市議会はどのような対応を取るだろうか。正直、私は市議会に何の期待もしていない。

いまぴーの革命レディオ Road to 2025 2024.05.12
「リージョンプラザ上越に異変! 指定管理制度は新自由主義そのもの」

リージョンプラザ上越に異変! 指定管理制度は新自由主義そのもの/いまぴーの革命レディオ Road to 2025 2024.05.12
こんばんは、(自称)革命家いまぴーです。今週はひろぽんとお届けします。昨日今日、スタッフが田植えで留守を守ると頑張ったのですが暑さと湿度でぐったりのところ、ついさきほど僕の車が動かなくなりました。体も車のガタガタないまぴーがどうやって乗り切るのか!?それはさておき。さて今日取り上げたいのは、降って湧いたリージョン...

私が落選したのは事実。
しかし、従来どおり一市民として上越市の問題を追及する姿勢に変わりはない。

市議選で私に投票してくださったみなさんには、私の発言、姿勢を引き続き見守っていただきたいと思う。
(おわり)

コメント

タイトルとURLをコピーしました