平良木哲也(ひららぎてつや)さん アンケート回答

◆立候補にあたり

Q1) なぜ市議選に出るのですか?
A1) 市議会議員は、市民の代表として市民の意見・思い・実情を市政に伝えるとともに、市政を監視・検証して、市民の暮らしを守る市政にするための軌道修正をする存在であることはご承知の通りです。また、市民生活を豊かにするための政策を積極的に提案し推進することも、重要な役割です。
 ところが、現在の上越市議会議員の多くは、そうした役割を十分に果たしていないのではないでしょうか。市長の提案にはほとんど何の疑問も持たずに賛成し、市長の推進する政策を無批判に推し進めるような姿勢では、市民の意見を反映させることができません。

 こうした状況の中で、本来の議員としての役割を果たし、ひいては社会の矛盾解決のために働く議員がどうしても必要です。そして、その社会の要請に応えるべきは、現代社会の状況に問題意識を持ち、なおかつその改革に目的意識を持って取り組む意欲のある人間であると考えます。
 さて、私は、過去30年近くの間、私立高校の教員を経験してきました。私立高校では、同じ高校生として同じ教科書で同じことを学びながら、学校の設置者が行政ではないというだけで、生徒や保護者が重い負担を強いられています。首都圏の一部の私学を除き、入学する生徒の多くは、自らが主体的に学校を選択することができないという実態があるにも関わらず、「私学に入学したのだからしかたがない」と切り捨てられています。また、仮に主体的に私学を選んだとしても、設置者の違いで学費や設備に違いがあってはなりません。
 こうした矛盾を解決しようと、私学助成運動に長年携わってきました。しかし、残念ながら一教員としては大きな限界がありました。
 それだけではありません。学校における公私格差以外にも、収入による格差の広がりで富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなるという状況が、小泉政権以来激しくなってきています。こうした社会の矛盾を見て見ぬ振りはできません。解決に向けて、微力であっても全力を尽くすことが自分の役割ではないかと考えた次第です。
 もちろん、教員として果たすべき役割にも大きなものがあり、教員としての立場で社会の矛盾の解決を図るという方向性があったことも確かですが、あえて、議員という立場で社会の矛盾の解決を図るための努力をしようと、2007年に決意しました。
 上に書きましたように、議員としての役割は非常に大きく多方面にわたるものですので、私がはたしてその任に堪えうるような資質の持ち主であるかは、私自身が図々しく判断すべきものではありません。多くの市民のみなさんが判断してくださるものと思います。しかし、社会の矛盾に問題意識を持ち、だれもが豊かに安心して暮らせるような、真に平等な世の中をめざすという意欲はだれにも負けません。
 一方で儲けすぎの人がおり、一方で生活に困難をかかえている人がいるという中で、その不平等を少しでも解決するために、市政に許されるすべてのことに取り組みたいと思っています。一言で言いますと、市民の負担を減らし、行政サービスを充実させるために全力を尽くしたいということです。

Q2) 今回落選したら何をしますか? 4年後も立候補しますか?
A2) 市議会議員として、議会での発言や日常の行政への働きかけをもって役割を果たすことには、重要な価値がありますし、大きな影響力を持っています。しかし、市民の代表として市民の意見を述べ、行政に働きかけることは、議員の立場を離れてもある程度可能です。そこで、万が一落選しても、これまで同様、市民の意見をしっかりと把握し、伝え、行政に反映させる努力を行っていきます。
 今回の選挙の当落に関わりなく、議員としての任を果たすことが必要とされれば、体力の許す限り、4年後も立候補します。

Q3) あえてあなたのウイークポイント・短所を、エピソードを交えて教えてください
A3) 中学区、高校、大学と、いわゆる部活は吹奏楽部でした。音楽が好きであるということが一番ですが、白状するとスポーツが苦手です。小学生の頃は、運動会の前の日には、「明日は雨が降らないかなあ」と空を眺めて憂鬱な気持ちになったものです。
 もちろん、市政に関係するものとして、スポーツ愛好者を大切にし、自由にスポーツに親しめる環境を作ることには力を惜しみません。


◆上越市の今後について

Q4) これからの4年間、上越市にとって重要な選択は何だとお考えですか?
A4) 一地方都市とはいえ、自治権はかなり保障されているのが現代日本です。その点を生かして、今日本社会に求められている転換を、この上越の地から推進すべきと考えます。
 具体的には、まず、憲法を暮らしに生かすことです。憲法に保障された生存権、学習権などの基本的人権を真の意味で守るという選択をすることです。生活保護の対象となるべき低収入の市民の中には、行政の手が十分に届いていない例が少なくありません。きめ細かく手厚い支援をすべきです。また、「義務教育
は無償」を建前だけにしないために、小中学校の給食費、修学旅行費、教材費の保護者負担を基本的になくすべきです。こうしたことを進め、「暮らしやすい上越」「住みやすい上越」にして、上越に人が集まる状況を作り出す大転換を図るべきであると思います。
 次にエネルギーシフトの転換です。大手電力会社に独占されてきた電力供給のしくみを大きく変え、再生可能エネルギーを活用した電気の地産地消に取り組み、地域経済を根本から活性化させるという選択をすべきであると思います。
 以上で問われているのは、「国や県」の言うことを聞くのか、「市民」の言うことを聞くのかという選択です。今の「国や県の言いなり」という姿勢から、市民の暮らし本位の市政にするという選択が必要です。

Q5) 定住人口の減少、中山間地の過疎化についてどう考えますか?
A5) 人口減少及び中山間地の過疎化には大きな危惧を抱いています。根本的な原因を探り、解決を図るべきであると考えています。
 そもそも、この二つの問題は、国による都市への一極集中や、地方切り捨ての政策に根源があります。
行政の効率だけを優先しますと、人口密度が高く、範囲が狭いまちづくりを進めようということになってしまいますので、そうした市民生活をないがしろにした都市政策をやめ、「どこに住んでいても、安全で安心、快適な生活を営める」ようにすべきです。もちろん、それはある意味で行政効率が悪いという側面もあるでしょうが、その見方に縛られるのはやめるべき時期であると考えます。
 具体的には、中山間地にあっても、ごく近くに学校、医療、福祉、介護の施設や、日常の買い物ができるお店があること、そして、雇用の場があることが、最低条件です。こうした条件が整えば、1戸あたりの土地面積や家屋面積も大きく、自然環境にも恵まれているという好条件がもともとありますから、定住人口は増えるに決まっています。

Q6) 北陸新幹線は開業しましたが、今後どうしましょうか?
A6) 新幹線は、日本の科学技術発展の成果でもあり、遠距離間の移動時間の短縮を図るという意味で大きな意味があると考えています。しかし、それ以上に過度の幻想を抱くべきではないという指摘も率直に受け止めるべきであると思っています。つまり、開業で交流人口が増えると単純に期待するのは早計であると感じています。交流人口は、上越を目的にする意識があって初めて増えるものであり、そのためには、「上越は暮らしやすい」「上越では魅力的な体験ができる」という評価が前提になるのではないでしょうか。
 一方、新幹線の開業とともに、並行する在来線がJRの経営から切り離されて、いくつもの点で不便になりました。えちごトキめき鉄道は、主体的にそれなりの経営努力をしているほか、市や県も、国やJRからの経営支援を受けたり独自に経営支援を行ったりと努力をしていることは事実ですが、鉄道は全国が一本につながってこそ鉄道ですので、分離は大きな痛手です。これからは、こうした弱点をカバーするために、各行政機関ができる限りの支援を行い、市民の日常の足を守っていくことが必要です。

Q7) 上越市の財政状況について、今後どうあるべきだと考えますか?
A7) この間の行政サービスの縮小、削減、廃止、出し惜しみによって、今春には146億円もの財政調整基金をため込むという事態になりました。これは、額も貯める手法も異常です。
 このため込み金を活用して、市民の暮らしを温める施策を積極的に進めることが重要であると考えています。介護保険料・国保税の引き下げ、学校給食費の無料化などが、すぐにできる課題です。
 前後しましたが、こうしたため込みがあることでわかるとおり、上越市の財政状況は、現在決して危機的状況にはありません。
 確かに、手をこまねいていれば、今後、普通交付税の交付額が削減される可能性があります。しかし、これは運命や宿命ではありません。現に、この間、全国の自治体の運動で、交付税の削減幅は大きく縮減され、「減る」といわれた「削減額」が2/3に縮まりました。この運動をさらに発展させ、交付税を減らさせないようにすることは可能です。逆に、たっぷりため込み金があって、「減らされても大丈夫」ということになれば、総務省はかさにかかって減らしてくることでしょう。こうした動きを許してはなりません。
 そのことを前提に、市民の暮らしに思いきってお金を使うことが必要です。市民サービスを充実させ、その点での歳出が大きくなれば、交付税は減りません。
 北海道夕張市の例が引き合いに出されることがありますが、ここでは市民生活を支えるべき市が、観光・リゾート開発にうつつを抜かし、その関連の財政負担に耐えられなくなったことが原因です。市民生活を支えてきた支出が原因ではありません。逆に、長野県南部の合併しないでがんばっている小さな町村では、住民の暮らしを支える施策を大いに進めることで、交付税の交付額を増やしてきています。
 こうしたことに学び、市政の本筋を行く財政にしていくことが重要です。


◆市議会について

Q8) 市議会による視察、講師を招いての講演会についてどう思いますか?
A8) 議会の各委員会の視察は、その目的、意義、当市への生かし方など、役割を明確にして行うことが重要であると思います。これまでもそうした立場で取り組んできたはずですが、市民の目に見えるだけの生かし方がされてこなかった例がなかったとは言えません。常に原則に立ち返って、緊張感を持って取り組むべきであると思います。
 視察は、各地の行政の先進例を学ぶことが視察の目的です。先進地に実際に行くことで、狭い意味での先進事業の実情を学ぶだけではなく、その都市の環境や他の行政施策を学ぶことで、より深い研修ができることがあることから、実際に訪問する価値もあります。しかし、委員全員が先進地を訪問するのではなく、先進事業を推進してきた行政担当者を数人招いて学ぶというやり方も、考慮の対象にすべきであると考えています。この意味で、講師を招いての講演会、いわゆる議員勉強会も、その目的が市民生活を豊かにするための政策づくりに役立つかを十分に吟味して行うべきであると考えます。
 なお、議会の各委員会の視察では、いわゆる観光を行う時間的ゆとりを持つような計画は存在しません。
たまたま観光地といわれる都市に行っても、目的外であれば、その観光スポットに立ち寄ることすらありません。
 また、この質問の意味が、議会費用の削減を図るべきであるという主旨であれば、一般論としては異議はありません。ムダを省くということはたいへん重要です。しかし、議会費が市の一般財政の中で占めている割合を考えてください。市民の意見を行政に反映させるという役割から考えて、大きな額であるかは、十分に考慮すべき問題であると思います。

Q9) 議会の最中に居眠りしている市議をどう思いますか? ご自身は居眠りしないと誓えますか?
A9) 私も議員としての議会準備等で、慢性的に睡眠不足の日々を過ごしていますので、居眠りの危険がないとは言えません。しかし、自らの健康管理にも十分に留意して、睡眠不足を解消した上で誓いたいと思います。

Q10) 現状で市議はどの程度市民に対して説明責任を果たせていると思いますか?
A10) 議員をひとくくりにしての回答はできかねますので、自分のことを述べます。
 私は、毎週市民向けに「市政ノート」(B4版)を発行しているほか、日本共産党議員団として、「議員団ニュース」(B4版)を毎週発行し、議会での動きや行政課題、市民生活をめぐる重要な話題を定期的に提供しています。また、これ以外にも、ブログの発信、議会報告会の開催、新聞折り込みの議会報告などの発行と、自分なりに説明責任を果たそうと努力しています。
 市政ノートは現在のところ千数百部の発行ですので、確かに配布体制には限界があります。Webへの掲載も決して十分ではありませんので、今後の改善が課題です。
 すべての行政課題で、完全に説明責任を果たせているかといいますと、必ずしも十分ではないかも知れませんので、市民のみなさんの評価や感想をいただきたいと思います。
 また、行政としての説明責任と議員としての説明責任には、自ずから性質が異なります。議員としては、それぞれの立場で、市民への影響、自らの考え、行政への批判を含めた多彩な情報発信や説明を行っていきたいと考えています。
 なお、他の議員もそれなりに情報発信や説明の努力をしているものと思われます。


◆以下は設問者が関心を持っている上越市の条例についてご質問します。

Q11) 平成12年に制定された「上越市食料・農業・農村基本条例」について思うところがあればご記入ください。
A11) 行政に基本計画の策定を義務づけ、中山間地対策を必須の課題とした点や、大規模経営者だけでなく、規模の小さな意欲ある農家も農業の担い手として位置付けていることに大きな価値があると考えています。
今後は、この条例の主旨を完全に生かすために、常に行政の取り組みについての監視を怠らず、それぞれの施策が中山間地の住民にもたらす結果を十分に把握していきたいと考えています。

Q12) 平成26年に制定された「上越市地酒で乾杯を推進する条例」について思うことがあればご記入ください。ちなみに可決したご本人たちは本当に地酒で乾杯していますか?
A12) 日本が生んだ貴重な文化としての酒造りを大切にし、同時に地場産業としての酒造りや流通販売をさらに発展させる一助としての一定の価値があるものと考えています。外で乾杯をする機会がある際には、ことあるごとに「地酒で乾杯を」と心がけています。
 なお、制定にいたる過程で、地元の酒造りに関わっている事業者の意見を聴取する機会があり、その際に、ある製造会社の社長が指摘した言葉も忘れることができません。それは、「酒は自分の好みに合わせて自分のペースで楽しむものであり、自分に合ったものをたしなむことが何よりも大切。誰かから強制されたりするものではない。」という主旨でした。


◆その他

このアンケートの結果がどのように活用されるかが楽しみです。
 上述しました通り、議員としての情報発信は必ずしも十分ではなく、私個人の努力にも限界がありますので、こうしてそれぞれの考えを紹介・発信していいただくことは、たいへんありがたく、感謝申し上げます。
 しかし、教員時代、「情報」という教科の指導にも携わっていたことから申し上げますが、Webへの掲載のみでは、少々懸念があります。というよりも、Web上のサイトの中には、一部に根本的に信頼性が低いものがあることはご承知の通りであり、受信する側の主体的選択スキルがないことには、正確な情報をつかむことができないだけに、どのようなサイトに掲載されるのかという点で、心配があります。そこで、ぜひ、信頼できそうな(このこと事態、非常に曖昧なのですが)サイトへの掲載をお願いしたいと思います。勝手なお願いですが、どうかよろしくお願いいたします。
 くれぐれも、一部の匿名掲示板への掲載はご遠慮ください。

 また、質問項目を見ますと、市民意見が二分しているいろいろな行政課題に関するものがほとんどなく、市議選での候補の「比較」と標榜している割には、いわゆるゴシップ的な話題に関するものが少なくないのはどうしてでしょうか。
 選挙は、市民のこれからの行政への期待を反映するものであるだけに、本質的な選択の基準は、決して議員のゴシップ的な話題ではないはずです。本来的な政治課題をすべて網羅した上で、付属的にゴシップ的なものもあるということであれば理解できるのですが、「原発の再稼働への姿勢」「ガス水道局の談合問題への見解」「(仮称)厚生産業会館の建設問題への考え」「新水族博物館の建設費の極端な増加への考察」「介護保険制度での全国に先駆けた新総合事業導入への態度」などがない上での「落選後の動向」や「居眠り」「ウイークポイント」などはいかがかと率直に感じましたので、ひとこと余計なことを申し上げました。
 さらに、選挙では年齢が公表されますが、生年月日の質問にはどのような意味があるのでしょうか。

 なお、今井さんは、「(自称)革命家」と称されていらっしゃいますが、どういう意味でしょうか。
「革命家」とは、現在の権力体制や組織構造を抜本的に変える社会変革を、主体的に進めようとしている人であると理解していますが、今井さんもそうだとしますと、上述した現代社会の矛盾を解決しようとして努力している私と同じ立場であると思います。そうであれば、ともに手を携えて、原発再稼働反対、消費税増税反対、介護保険制度の改悪反対、国際間の平和協力関係確立の推進などにご協力願えるのではないかと思っておりますので、ぜひ、よろしくお願いいたします。

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